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看護師がお話しする『プレコンセプション』~体重・栄養・運動の提案~

2023.6.22
お知らせ
看護師より

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本日は『プレコンセプション』についてお話しさせていただきます。

コンセプション(Conception)は妊娠・受胎を意味する言葉であり、プレコンセプションケア(Preconception care)とは将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことを指します。そこで皆さまにぜひ知ってほしいことについて、看護師よりプレコンセプションケアの観点から3点ご提案させていただきます。

1つ目が体重の適正な管理です。
体重と身長から導き出されるBMIという値が体重管理の一つの指標として幅広く知られており、BMIは18.5以上から25未満が正常範囲とされています。妊娠経験のない夫婦230万人組を対象とした研究によると、男女ともにBMIが標準域にあるカップルが最も妊娠しやすいことが明らかになっています。また妊娠後は痩せが低出生体重児等の要因となり、太りすぎは妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群等につながることが示唆されています。

実際に2022年4月以降で当院を初診で訪れた方のうち13%の方がBMI25以上の肥満、15%がBMI痩せに該当されていましたので、これから不妊治療を始められるカップルにはぜひご自身のBMIに関心をもっていただきたいと考えております。当院Cロビーの奥に身長体重計でBMIを簡単に測定できます。ただし測定の結果でBMIの改善が必要と分かった場合でも、長年付き合ってきたお身体を急に変えようとすることで、体調を崩し妊娠から遠ざかってしまっては元も子もありません。当院では治療計画に入る前には体重コントロールを目的として栄養カウンセリングを受けていただくことをお勧めしています。当院の栄養カウンセリングでは、食事の内容はもちろん、食事と食事の間隔や外食や市販のお惣菜の頻度などお伺いし、個々の生活に合わせたご指導をいたします。ご希望あれば受付にお声掛けください。

2つ目は栄養の適切な摂取です。
厚生労働省の『妊産婦のための食生活指針』によると主食、副菜、主菜をバランスよく摂取する食事が勧められています。そして妊娠に重要な栄養素である葉酸とビタミンDを積極的に摂取することをお勧めしております。

葉酸は赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低下させる効果があるため、妊娠の1カ月以上前から食事以外に400μg/日の摂取が推奨されています。当院ではエレビットというサプリメントをお勧めしており、エレビットは葉酸以外にも妊娠に良いとされているビタミンとミネラルが含まれております。定期購入のご希望があれば当院限定のクーポンをお渡しすることが可能ですので薬局もしくは看護師までお申し出ください。

ビタミンDは女性の生殖と密接なかかわりのある栄養素で、ビタミンDの不足では着床率の低下の可能性、欠乏では卵胞発育数や妊娠率低下、不育症のリスクが上がるという報告があります。またビタミンDの血中濃度が高いと体外受精の成績が良いという報告もあります。医師よりビタミンDのサプリメント摂取を勧められた場合は、ぜひ妊娠されるまでの継続的な摂取をお勧めいたします。

3つ目は運動です。
厚生労働省の調査では1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している20代30代の女性は10%程度と報告されています。おそらく皆さまも同様に運動習慣がない方が多いのではないでしょうか。妊娠には穏やかな運動が良いとされており、疲れ切ってしまうような過度な運動は妊娠には適さないことが報告されております。

当院では『ミトコンウォーク』という森本理事長自らが考案した卵巣機能を高めるウォーキング法をお勧めしております。ミトコンウォークの指導もマンツーマンで承っております。ご興味があれば、ぜひ治療計画が始まるまでに当院スタッフにご相談ください。

プレコンセプションケアによって当院に通われている皆さまがご自身の大切な身体とじっくり向きあえる良い機会となることを願っております。

過去の記事は以下のリンクよりご覧ください。

看護師がお話しする『不妊治療でスクリーニング検査をする大切さ』

看護師がお話しする『生理の仕組みと生理の始まり』