治療方針は「相談しながら」決めています(北山医師)
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こんにちは、今回5月のコラムを担当します、医局の北山です。
当院を受診中の方、治療をお休みされている方に向けて書いています。
突然ですが、みなさんのお父様はどんな方でしたか。
-お父さんの言うことは絶対です。
-外で仕事ばかり、家庭内ではお母さんが生活を切り盛りしていました。
-厳しいけれど、帰ってきたらとにかく優しいお父さんでした。
ここでひとつ。
パターナリズム=父権主義という言葉があります。
古くは古代ギリシア時代の医師ヒポクラテスの考え方として医学部で習います。
テストではこんな感じで出ます。
数年前の医師国家試験の問題です。
治療方針の検討段階における医師のパターナリズムに該当するのはどれか。
a 患者の治療に対する価値観や感情を尊重する。
b 患者の家庭・社会生活に関する背景を尊重する。
c 患者の状態に対する医学的な適切性を優先する。
d 治療が患者に与える影響を患者とともに検討する。
e 治療に対する患者の希望や解釈モデルを尊重する。
答えはcです。
医学におけるパターナリズムとは、お父さんが子供や家族のためを思って、こうだ!と指示するような、父-子の関係のような医師-患者の関係と私は理解しています。
さて、当院のホームページや、診察でお知らせしているとおり、現在日本生殖医学会からの声明をうけて治療の延期をご本人と「相談しながら」決めています。
パターナリズムにならないよう、患者様の希望や解釈を含む価値観・感情、家庭環境、社会生活、治療自体の影響も、治療方針の検討に重要だとわたし個人も考えていますので相談が大事だと思います。診察室でお話ししましょう。